「だからせめて……仲良くしてあげて。
なっちゃんが帰ってきて嬉しがってるだろうから」
「……もう仲良くできないよ」
「どうして?」
「だってもう三年も経ってるんだよ?
何も言わずに出ていった私のことを許してくれるはずないよ」
「そりゃあ、三年間会ってないかもしれないけど咲都くんはなっちゃんはそんな数年で壊れる仲じゃないとばあちゃんは勝手に思ってるよ」
おばあちゃんの強い眼差しを見ると、ちゃんと現実と向き合わなくてはいけないということを改めておもった。
「…うん」
「ご飯できたら呼ぶからゆっくりしとき」
そういうと、おばあちゃんは部屋から出ていった。
逃げてばかり。
私はとてつもなく弱い人間だ。
何か嫌なことがあればすぐに逃げ道を探し、作り、そこに逃げて身を隠し、生きる。
いまさら、強くなんてなれないよ。
「……サキっ」
たった二文字。
きみの名前を口にすると、胸の中に熱い何かが湧き出てきて、それが涙に変わり久しぶりに透明の雨が頬を濡らした。
ごめんね、サキ。
何も言わずに離れちゃって。
私が弱かったから。
たくさん君を傷つけてしまったと思う。
だからこそ、いまさら昔のように接することなんてできないんだ。



