それでもキミが好きなんだ




どうして、人は人を好きになるんだろう。

いっそのこと、運命の人が決められていたらもっと楽でこんなに泣く思いをしなくても済んだかもしれない。

私はしばらくその場で泣き続けてから、袋を持ち下を向きながら草を抜きはじめた。

今頃、二人はちゃんと向き合えているんだろうか。
それとも、琴音はまだ事実を隠し通す気なんだろうか。

そんなことを知ったところで私は何も関係がないのだけど、やっぱり気になってしまう。


「こんなところでなにやってんの」

「え?」


突然、話しかけてきたのは健吾だった。
驚きのあまり目を丸くしていると、健吾はそんな私を見てクスリと笑った。


「今日までに出さなきゃいけない書類を出しに来たんだ」

「あ、なるほど」


だから夏休みなのに学校にきてるんだね。


「夏葵こそ、どうしたの?」

「PTAの草むしり。
おばあちゃんの代わりにきたの」

「そうなんだ。また泣いた?」

「げっ……やっぱり分かる?」


たぶん、まだ目が潤んでいるし
赤いからすぐに分かるんだろう。

家に帰ってどうやって誤魔化そう……。