それでもキミが好きなんだ



「だから、琴音は私のことが嫌いでも私は琴音のことを嫌いだなんて思ったことないし、これからもずっと大好き……っ」


涙で歪んだ視界の先に映っている琴音はなんとも言えなさそうな表情で私を見つめていた。

そんな琴音の頭の上に手を伸ばし、緑色の細い雑草を取ってぱらり、と地面に落とす。


「琴音にはみんながいる。
だから、ちゃんと伝えてサキに幸せにしてもらいな。アイツだったら絶対力になってくれるから」


ちゃんと瞳を見つめながら言ったはずなのに琴音は私から視線を外し、立ち上がると何も言わずにそのまま走り去ってしまった。

伝わったかな……?

私の気持ち。

本当に私はどうしたいんだろう。
サキの彼女になりたいのに、『幸せにしてもらいなよ』なんて……でも、私には選べない。

サキか琴音か、なんて。
どっちにも幸せになってほしい。

なんで、恋は誰かを傷つけてしまうんだろう。
この世に誰かを傷つけない恋なんて存在するんだろうか。