意地を張って、素直になることを忘れていつからか本音を話すことさえ、できなくなっていた。
いま、私たちに必要なのは信頼でも優しさでもない、伝えるという勇気。
「優しくしないで……っ。
もっと醜く感じるから……っ!」
「私も琴音のこと羨ましくて仕方ないよ」
「……え?」
そういったとき、私を離そうとしていた手の力を緩めた琴音。
「ちゃんと告白できて、素直で、優しくて。
女の子らしくて可愛くて……ずっと羨ましくて妬んでた」
「……」
「正直、サキと付き合っているのだって嫉妬してる」
「……ほら、」
「でも、妬みとかそれ以上に琴音のことが大切で大好きなんだよ」
ちゃんと、素直な気持ちを口にできたとき私の瞳からずっと我慢していた透明な雫が頬を伝った。
「……夏葵?」
「みんなにずっと会いたかった……っ」
本当は、ずっと、ずっと会いたくてたまらなかった。



