「優しくしてくれる人を傷つけたり、遠ざけたらいつか絶対後悔するんだよ!!!」
私がそうだったから。
みんなを突き放して、傷つけて……ここに戻ってきたときに琴音と健吾に責められたこと私は忘れない。
私の自分勝手がみんなを傷つけた。
だから琴音にはそんな思いはしてほしくない。
「そんなこと、琴音だって分かってるでしょ…!?後悔してからじゃ遅いんだってば!!!」
「……っ!」
私はその言葉と共に再び琴音を抱きしめた。
琴音は泣きながら、何度も何度も私を突き放そうとするけど私は離さなかった。
ここで離したらダメだとわかっていたから。
ここで離してしまったら、本当に私と琴音は友人に戻れない。
「離して……っ!
いまさら戻ってきて……私から咲都を奪わないで…っ!」
「……奪わない。奪わないから……」
「嘘つき……っ
いっぱい、咲都を傷つけたくせにいまさらなによ…っ」
「うん……ごめんね…」
言いたいことを言い合えばいい。
そんな簡単なことが私たちはできなかった。



