それでもキミが好きなんだ



サキとの思い出、一つ一つを私は心の奥に大切にしまいこんでいる。

だって、忘れられないんだもん。
遠く離れてみても、突き放しても、結局サキのことを嫌いになることなんてできなかった。


「まあ、俺も初めて東京に行った時は興奮して周りのビル見上げてはしゃいだけどな」

「やっぱりそうだよね。
って健吾、東京に行ったことあったんだ」


てっきり、東京には行ったことがないと思っていた。
今の時代、行こうと思えばこんなド田舎からでもすぐに東京に行けるもんね。


「あー……うん。あるよ」

「なにその、ぎこちない感じ」

「いや、だいぶ昔のことだから」

「そうなんだ」


たぶん、それは嘘だとわかっていたけど私は何も言わなかった。

言いたくないことは無理に聞かない。
健吾が私にしてくれたみたいに。

それから話題はテレビの話になって、他愛もない話をしながら出店を周り、かき氷を買ったり、射的をしたりと年に一度の祭りを満喫していた。