「ごめんごめん。だって夏葵って結構ドジなところあるじゃん」
「うるさいなあ」
これでも結構早くに仕事を覚えて、頑張って働いていたんだからね。
「でも、ちゃんと頑張ってたんだな。
なんかそれ知ってホッとしてるよ」
そういった健吾の表情は本当に安堵に満ち溢れていて、許せない気持ちがあっても健吾は優しいからどこかで私を心配してくれていたんだろう、と思った。
「まあね」
「なんのバイトしてたの?」
「飲食店で働いてたよ。
まかないもありで結構楽しかったよ」
お店の人たちはみんないい人たちばかりで、やめるときは寂しい気持ちもあったけど、それでも私はこの街に戻ってきたい気持ちの方が大きかった。
───いや、ただサキに会いたかっただけなのかもしれない。
「へえ。都会だね」
「周りも大きなビルばっかで目が疲れる」
「田舎もの感満載のセリフだな」
「私は田舎者だからね」
三つ目のたこ焼きを口の中に放り込む。
ソースとかつお節の味が口の中にほのかに広がる。
懐かしい味。
私の思い出がたくさん詰まった味。
何度もサキとこの祭りに来てたこ焼きを食べて、かき氷も食べてスーパーボールすくいでボールの数を競い合って……そんな愛おしい思い出の数々が蘇ってくる。



