それでもキミが好きなんだ




「んー、美味しい」

「久しぶりにたこ焼き食べたわ」

「私はお祭り自体久しぶりかなあ」


向こうではお祭りなんて行かなかった。

当時付き合っていた彼に誘われても行く気にもならなかったのは、お祭りになんて行ったらいるはずのないサキの面影を探して、楽しかった頃のことを鮮明に思い出してしまうと分かっていたから。

会いたいけど、会えない。

その想いが苦しいほどに私の胸を締め付けた。

どうして、私とサキはこんなにも近くにいるのに無条件に会えて、笑いあえて、お互い特別な関係で寄り添い合うことができないんだろう。


「向こうでどんな生活してたの?」


健吾とも昔からの仲だからとくに気を使ったりせずに過ごせるからとても楽。


「んー、普通に……あ、バイトしてたよ」

「え、夏葵が?」

「うん……ってそれ失礼じゃない?」


私だってバイトくらいできるよ。

それにバイトしてないと余計なことを考えてしまっていたんだもん。