それでもキミが好きなんだ



「おい!お前らさっきから
何コソコソと二人で話ばっかしてんだよ」


健吾と二人で話していると、サキが私たちを見ながら不服そうに眉をひそめながら言った。

あんただって琴音と盛り上がっていたじゃん。
今だってサキの左手と琴音の右手はしっかりと繋がったままだ。

そんな光景が視界に入るたびにズキズキと胸がわかりやすく痛む。


「健吾と夏葵、お似合いじゃん」


琴音が何を思ったのかそう言い、私のほうをみてふっ、と鼻で笑った。

ああ、琴音は私のことが本当に嫌いなんだ……。
だからといって別に私は琴音を嫌いになるつもりもない。

だって、昔はよく一緒に遊んで二人で恋バナに花を咲かせ、ときにはぶつかり合い喧嘩をした仲なのだから。

今になって嫌いになれるわけがない。

それに琴音もサキが奪われないか心配で仕方ないだけで本当はとても優しい子だということを私はちゃんと知っている。