「ここは俺とナツだけの世界だと思ってるから」
私とサキだけの世界?
なによそれ……
いいように言っているだけじゃん。
なのにどうしてだか嬉しくてたまらない。
「……そっか」
「おう」
沈黙が続いても気まずくはない。
「相変わらず綺麗だね」
「だよな。何にも変わってない」
私たちは変わってしまったけれど、海は変わらない。
私たちをそっと見守るかのように静かに波打っている。
「懐かしいなぁ……」
「もう三年も経つんだな」
「早いね」
「……俺にとってはすげぇ長かったよ」
キラキラと輝く海の遠くを見つめながら意味深に呟いた。
健吾や琴音が言っていたように私がいなかった三年間でたくさんのことがあったんだと思う。
「そっか」
「ほんとはさ、もうナツとは会えねぇんじゃねぇかって諦めかけてた」
「……」
「でも、再会してナツの顔見た瞬間さ
ああ、諦めないでよかったなって思った」
サキの嘘偽りない言葉に心がグラッと揺れる。
なんで今そんなことを言うのかな。
サキの隣には琴音という可愛らしい女の子がいるじゃん。私じゃなくたって別にいいじゃん。なのにどうしてこんなにも期待させるの。
「そのビー玉も懐かしいよな」
私の持っていたビー玉を指さしながらそう言い、そして、「俺も持ってるけど」とポケットから私が持っているのと同じビー玉を取り出して得意げに笑った。



