それでもキミが好きなんだ




「今回も琴音に頼めばよかったのに」


ひねくれた言い方になってしまったのは過去の琴音にヤキモチを焼いているから。


『別にナツでもいいじゃん』


はあ……コイツの鈍感さには本当にため息しかでないや。


「ほんと能天気っていうか……」


『つーか、俺はナツがいいんだよ』


思わぬ言葉にトクン、と鼓動が大きく高鳴った。


「それ琴音が聞いたら泣くよ?」


『俺とナツの仲なのに?』


「うん」


やっぱり、サキの中で私はいつまで経っても“幼なじみ”止まりなんだろうなぁ。

どうしたら、“幼なじみ”じゃなくて“女の子”として見てもらえるんだろう。

昔からみんな口を揃えて『咲都くんと幼なじみとか羨ましい〜』と言うけれど私から言わせてみれば恋愛対象外の幼なじみよりもみんなのように何でもない関係の方が羨ましく思える時もあった。

女の子っていう生き物はいつでも好きな人の一番でいたいもので、たとえ浮気相手だったとして二番目の愛しかもらえなくても、いつか一番になれるかもしれないという気持ちが心のどこかにあるんだと思う。