「えっと、何を話せばいいのでしょうか?」

そう聞いた美都に、
「今日あった出来事とか、美都が話したいことでいいよ」

成孔は答えた。

「じゃあ、話します。

沙保ちゃんって言う同じ会社で働いている友達がいるんです」

「へえ」

「沙保ちゃん、私よりも背が高くて大人っぽくて、とても同い年には見えない子なんです。

おしゃれでピアスをつけてて、大家族一家で育ったこともあってか、とてもしっかりしている子で」

「そうなんだ」

特におもしろいと言う訳ではないのに、成孔は自分の話を興味深そうに耳を傾けて聞いていた。

「その沙保ちゃんなんですけど、来週に会社の近くで行われる七夕祭りに一緒に行こうって言って誘ってきた人がいるんです。

成孔さんの会社で働いている人なんですけど」

美都はベッドのうえに腰を下ろした。