「ずっとスマートフォンばっかり見てた。

美都からの返事はまだかなって、そう思いながら見てた。

どんな重要な連絡よりも美都からの返事が大切だった」

「な、成孔さん…」

「遅くなってもいいから、いつでも返事を待ってる。

だから、俺からのメールを返してね」

そう言った成孔に、
「はい、わかりました」

美都は返事をしたのだった。

まるで中学生か高校生みたいだなと、美都は思った。

(と言うか、寂しがりなところがあるんだな)

美都は心の中で呟いた。

「時間、まだ大丈夫かな?

もう少しだけ俺と話ができそう?」

そう聞いてきた成孔に、
「ええ、はい」

美都は首を縦に振ってうなずいた。

(まだ私と話がしたいんだ)

美都は食べ終わったアイスの棒をゴミ箱に捨てた。