「メール、返して欲しかったな」

成孔が言った。

「メール…ああ、今朝のですか?」

そう聞いた美都に、
「うん、返して欲しかった」

成孔は答えた。

「どうしてですか?」

「それが礼儀な訳だし、何より美都からのメールが欲しかった」

そう言った成孔は、どこか悲しそうだった。

そんな彼の様子に戸惑いながら、美都はアイスをかじった。

「そりゃ、朝は忙しいって言うことはわかってるよ。

でも休憩時間でも昼休みでもいいから、美都からのメールの返事が欲しかった」

「…嬉しいんですか?」

呟くように聞いた美都に、
「うん、すごく嬉しいよ。

たった一言だけでも、今日も1日頑張ろうって思うから」

成孔は嬉しそうに答えたのだった。