アスカラール

コース順に運ばれてきた料理はどれも美味しかった。

会社の人たちとは飲みに行くことはあるけれど、こうして男と2人で食事をしたのは初めてだ。

「嬉しかった」

デザートのブルーベリーソースがかかったパンナコッタを食べていたら、成孔が言った。

「えっ?」

美都が聞き返したら、
「好きな女の子と誕生日を一緒に過ごせることも嬉しいけど、その女の子と誕生日が一緒だったと言うことも嬉しかった」

成孔が答えた。

(私もです、成孔さん)

心臓がドキッと鳴ったのを感じながら、美都は心の中で呟いた。

食事を終えてレストランを後にすると、
「今日はありがとう」

エレベーターを待っている間、成孔にお礼を言われた。