アスカラール

「本当は俺が迎えに行きたいんだけど、その前にどうしても外せない用事があるんだ。

だから雑賀ちゃんにお願いしておくから」

「は、はあ…」

自分の秘書とは言え、そこまでするものなのかと美都はツッコミを入れたくなった。

「じゃあ、待ってるから」

「あ、はい…わかりました…」

電話が切れたことを確認すると、美都はスマートフォンを耳から離した。

「雑賀さんと何を話せばいいんだ…」

美都は両手で頭を抱えた。

キレイな彼女を相手に、自分はどう対応すればいいのだろうか?

「あっ、どこに行くか聞いていない…」

成孔が誕生日のその日に何をするのか聞いていなかったことを美都は思い出した。

「ま、いっか…。

当日までのお楽しみだと思うことにしよう…」

美都は自分にそう言い聞かせると、スマートフォンを充電した。