あれから、1週間が過ぎ、オレは毎日のようにあの桜の木のある崖に、幸に会いに来ていた。
そして、今日もオレは、幸に会いにあの場所へ向かう。それに、今日はどうしても聞きたいことがあるんだ。
オレはその事をずっと考えながら、彼女に会えるあの場所へ到着した。
だが、、、彼女は、幸は、、、そこにはいなかった。

「なんで、、、。風邪、とかかな、、、。」

ともかくオレは幸を待つことにした。
いつまでたっても幸は来ず、とうとう時間は午後7時になってしまった。

「帰ろう。」

オレは立ち上がると、帰路につく。
ふと海岸から振り返り、見上げたのはあの崖の上の桜の木。あの桜の木も、今日は心なしか寂しそうな、元気がないような、そんな気がした。

「お前も寂しいよなぁ。」

なんて言ってもきっと誰にも届いていないのだろう。
明日は、来るだろうか。なんて考えながら、オレは家の中に入っていった。
この時のオレは、次の日に起こることを知りもしなかったのだ。