それからずっと考えていた。
沙織が蓮太のことを好きじゃないって言っていても、蓮太のことを振り向かせることができるのだろうか。
あくまで蓮太は沙織のことが好きなわけで…。
というか、どういう経緯で蓮太は沙織のことを好きになったんだろう。
あとで照馬に聞いてみよう。
そう心の中で思った。
授業が終わった後、照馬の元へ向かい話しかける。
「あのさ、蓮太ってなんで沙織のこと好きなのか知ってたりする…?」
「あー…、なんとなくなら…。」
「教えて!」
「詳しいことはわからないんだけど、電話とかしてるうちにいいなって思ったらしいよ。」
電話…なんかしてたの?
沙織からは蓮太とはLIENしかしてないって聞いてたのに…。
しかも、沙織は電話がそんなに好きじゃないはずなのに…。
「電話…か。そっか。ありがとう。」
心配する照馬をよそに私は自分の席に戻った。

