言葉を失った私を見て茉里奈は
「まぁ、そうだよね…。正直、私もびっくりだよ。信じられない。とりあえず、沙織には遠回しに聞くから、由衣は頭の中整理しなね?」
そう言って、優しく声を掛けてくれた。
それからはお互い分かれるまで無言であったが、それが茉里奈なりの気遣いだったんだろう。
別れ際に「次のオフ、空けといて!」と言った茉里奈。
何から何まで本当に申し訳ない。
でもその優しさに縋ってしまうのは、私の心が弱いからなのだろう。
茉里奈のことはなぜか信じられる。
絶対私の味方でいてくれる。
そう言い切れるのに根拠なんてないけど絶対裏切らないと心のどこかで思っているからなのだろう。
今日のことを全て整理し、自分の気持ちとも向き合う。
未来なんて予想できないけど、それでも自分で決めた道を進んでいくしかないのだ。

