少し、がっかりしていると


「翔平のことはもう何も思ってないの?」


沙織が鋭く言ってきた。


「うん。もう今は何も思ってないよ。」


私は正直に答えた。


「そっか。」


何か、意味ありげに沙織は呟いた。


そのあとは特に追求することも出来なかったので、そのまま流しておいた。


沙織と別れて、一人になった電車の中で考える。


さっきのは何だったのかな。


でも、考えても思い当たるようなことがなかったので、とりあえず茉里奈にも色々報告しようと思った。


最寄駅に着いて、電話をかける。


これが私の最近の日課だ。


「あ、もしもし?茉里奈?」


「もしもし、由衣、今日は何かあった?」


「あのね!席替えして蓮太と隣の席になったの!」


今日嬉しかったことを報告した。