桜がピンクの花びらを落とし、日々の生活に慣れ始めてきた4月下旬。
高校2年生に進級し、新しいクラスに新しい仲間。
“2-D”と書かれた教室に私は入る。
私は、清秀(せいしゅう)高校2年の佐藤 由衣(さとう ゆい)。
至って、普通の女子高生。
部活はチアリーディング部に所属している。
ちなみに彼氏はいたことがない……。
「おはよう!」
クラスにいた友達に挨拶をし、自分の席に座る。
しばらくして、先生が入ってきて、少しざわついていた教室が静かになった。
「5月1日には球技大会があって、その説明するからちゃんと聞いとけよー。」
あ、そうだ。球技大会あるんだった。
先生が球技大会の話を始めると一気にざわついてきた。
何の種目に出ようかな。
そんなことを考えていたら、いつの間にか先生の話は終わっていて、「由衣ー!」と私を呼ぶ声が聞こえた。
クラスではわりと仲が良い方の河村 香織(かわむら かおり)。

