“私の見立てに間違いはなかった!”と自画自賛する一花。
「あ!でも、変な男まで寄り付いてきてないでしょうね。美恋ちゃん、全然自覚ないからちょっと心配なのよねぇ」
「変な男……」
そういえば、イケメンの何とかってヤツに公開告白されたっつってたな。
名前何だっけ?
椎名?
確かチャライ感じで有名な先輩。
まぁだけど、美恋は全く興味ないみたいだったから、心配するほどのことでもないだろ。
つーか、美恋は裕也と恋することを選んだわけだし。
そう思ったら、なぜか胸の奥の方がモヤッとした。
「どうかした?」
「いや……。てか、美恋のヤツ意外に良い男と恋愛できると思うぞ」
「どういうこと?」
裕也は、文句の付けどころがないくらい良い男だ。
性格は良いし、頭も良いし。
おまけに顔も良い。
男にも女にも隔たりなく優しいし、だからと言って人の意見に振り回されるような人間じゃない。
芯の部分に、しっかり“自分”を持ってる。
男の俺から見ても、すげーカッコイイ男だと思う。
その気になれば、彼女くらい簡単に作れるはずだ。
そんな裕也が、何でわざわざ美恋の恋の相手に立候補したのか……。