びっくりしたじゃねーや!


思いっ切り頭にドア直撃しただろ!!


まず謝れ!!



と言いたいが、痛みで声にならない。



……今日は踏んだり蹴ったりかよ。



まぁ、床でゴロゴロ転がってた俺も俺だけど。



「なんか用?入る時はノックぐらいしろよな」


「あんただってノックなんかしたためしないでしょーが。てか、お母さんが何度も呼んでるのに下りて来ないってキレてたよ」


「げ」



そういえば、夕飯のことすっかり忘れてた。


つか、美恋のことで頭いっぱいで、母ちゃんの声なんか耳に入ってこなかった。


後で絶対ドヤされる。


めんどくせぇ……。



溜息をつきながら、とりあえず部屋着に着替えるため立ち上がる。



「あ。そういえば、美恋ちゃん恋活上手くやってる?」


「……え?」



タイムリーな話題をふられ、思わずクローゼットを漁る手をピタッと止めた。



「ほら。メイクをレクチャーして以来、私会ってないからさ。今日あんた、美恋ちゃんとマック寄ってきたんでしょ?」


「あぁ……まぁ。何か美恋のやつ、やたらモテ出してるらしい」


「マジ!?ほらー!やっぱり美恋ちゃん、ちゃんとすればかなりイケてるのよ!」