恋をする相手、俺じゃダメかな?
恋をする相手、俺じゃダメかな?
頭の中で、高峰くんの言葉がリピートされる。
それって……。
「えええぇっ!?!?」
やっとのこと高峰くんの言葉を理解したと同時に、危うく椅子から転げ落ちそうになった。
「美恋ちゃん、大丈夫?」
「だ、大丈夫……」
……なわけがない。
全然大丈夫なわけがない。
いや、だって、それって、つまり……。
私が、高峰くんを好きなるってことで……。
そんでもって、高峰くんもウェルカムってことで……。
考えただけで、心臓が恐ろしいスピードで脈を打ち始める。
「もう一回聞くね。俺じゃ、ダメ?」
甘えたように上目遣いを向ける高峰くん。
ひいぃぃぃ!!
「いやいやいやいや!高峰くん!!いくら人が良いからって!!さすがにそれは……」
例えば、私が高峰くんを恋する相手に選んだとして、万に一つ、万に一つ私が本当に高峰くんを好きになったりなんかしたら、一体どうするつもりなんだ……!!
いや、絶対にないけど!!
あるわけないけど!!
だって、高峰くんは大切な大切な友達なんだから!!
「お……おい、裕也!美恋をからかうのは……」
「からかってなんかないよ」
高峰くんは、真剣な顔でジロにそう返す。
その様子を見たジロは言葉を詰まらせ、引きつった顔で「……え?」と声を漏らした。



