え。何それ。
私にはレベルが高過ぎて、全然話についていけないよ!!
「美恋はいないの?この人になら恋をしたいなーって思える相手とか」
幸にそう言われ、私はすぐさま首を振る。
「考えたこともないよ!」
「じゃあ、美恋はどんな人がタイプ?」
「タイプって言われても……」
「じゃあさ、どんな人となら、一緒にいて楽しい?」
一緒にいて楽しい人……?
「き、気を使わずに一緒にいられる人!」
「他には?」
「他!?え、えっと……正直者で、素直で、お互いのことが手に取るようにわかって……。あ!あと、笑いのツボが一緒とか!」
幸の難解な質問に対し“これでどうだ!”という気持ちでテーブルに手をついて立ち上がる。
だけど、意外なことに幸の反応は薄く、一端間を置いてから「それって……」と呆れたように笑った。
「全部、元木のことじゃん」
…………は?
「美恋の言うそれって、全部元木に当てはまってるよね?」
え?ジロ?
私の隣に座るジロとはたと目が合う。
全部、ジロのことって……。
それって、私のタイプがジロってこと……?
「……ってそんなわけないじゃん!!!!」
「いや、でも……」



