お世辞だってわかってるけど、めちゃくちゃ救われたー!!



「高峰くん、ありがとう!」



笑顔で感謝の気持ちを伝えていると。



「つか、美恋が可愛いのは、もとからだから」



高峰くんの横で、漫画雑誌に目を落としながら、つまらなそうな顔でそんな言葉をこぼすジロ。



この前に引き続き、ジロのジロらしくない言葉にドキッとしてしまう。



「な、何言ってんの?この前は散々貶してたくせにっ」


「俺が貶したのは、お前の身だしなみだ。お前自身が可愛いのなんか、とっくの昔に気づいてる」


「……っ!」



カァッと顔に熱が集まってくる。



本当にどうしちゃったのよ!?


ジロのくせに!


急に変なこと言い出すから、幸も高峰くんも驚いてるじゃない!!



「わ、わかった!まーた宿題やり忘れたんでしょ?まったくしょうがないなー!」


「ちげーよ。……てか、自分でもわかんね。何となく言っとこうと思って」


「……へ?」


「便所行ってくる」



そう言い残して、ジロは教室を出て行ってしまった。



「……ジロのやつ、何か変なもんでも食べたかな?」


「てか、あれって嫉……」



幸は途中まで言いかけると、口を押さえ、何やら難しい顔をしている高峰くんをチラッと見た。