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「え!?美恋!?それどうしたの!?!?」
「へ、変かな……?」
休日が明けて月曜日。
学校に登校してくるなり、私の姿を見た幸が驚きの声を上げた。
「変なわけないじゃん!すっっごく可愛いんだけど!!メイクも髪型もすっごく似合ってる!!むしろ、何で今までちゃんとしてこなかったの!?!?」
「はは……」
良かった。
幸にそう言ってもらえて安心した。
実は、休みのうちに沢山メイクの練習をしたんだ。
美容院に行って、傷んだ毛先も切りそろえてもらった。
毛玉だったセーターは捨てて、新しいセーターを買った。
できることからだけど、少しずつ“自分磨き”ってやつを始めてる。
果たして、これで合ってるのかどうかは謎だけども……。
「ね!高峰くん!!美恋、めちゃくちゃ可愛いくなったと思わない!?」
席に座って、ジロと話してる高峰くんの肩をバシバシ叩く幸。
ちょっと!
男子のリアルな意見を聞くには、まだ心の準備が……!!!
「うん。そうだね。美恋ちゃん、すごく可愛くなった」
そう言って、柔らかく微笑む高峰くん。
うぉぉ!神様仏様高峰様!!
なんて優しいんだ!!
高峰くんの背後に後光が射して見えるよ!!