恋ってやつを教えてやるよ。


私は、重大なことに気づいた。



私、格好……!!!!


わ、忘れてた!!!!



慌てて玄関の扉を閉めようとすれば、放心していたジロがはっと気づき、そうはさせまいと反対側からドアを引っ張ってくる。



「何閉めてんだよ!!」


「本日、我が家はジロお断り!!」


「意味わかんねー!一花来てるんだろ!?俺もまぜろ!」


「ヤダヤダヤダヤダ絶対無理!!帰ってーーー!!」


「あのなぁ!何恥ずかしがってんだかしらねーけど、お前、普段寝癖のパジャマ姿で俺に会っても何ともねーだろが!!むしろ、そっちを恥じらえ!!」


「それとこれとは別!!」



一生懸命閉めようとするも、力でジロに適うわけもなく。


少しずつジロの方にドアが引っ張られていく。



絶対に開けさせちゃだめだ!


こんな格好、笑われるに決まってる!!



そう思っている間にも、人一人入れるくらいの隙間ができていき、ついにはジロが体をねじ込んできた。



「はぁっはぁっ、観念しろよ?」



ひーーっ!!


お巡りさーーんっ!!



急いでドアノブから手を離し、2階に逃げようとする私の腕を、ジロはすかさず掴んでくる。



ううっ!


絶体絶命!!


笑われる!!



そう思ってギュッと目を瞑ったのに……。