その寝癖どうなってんの?
うちの物置にある箒みたいになってるんだけど……。
またがったら空飛べそうだけど。
「何しに来た。クソ真面目のペチャパイ女」
「あんたに用なんてないわよ。むっつりスケベの拗らせヤンキー」
中指を立て、ふんっと言ってゆう兄はリビングに入っていく。
一方、一花ちゃんはものすごい顔でベロベロベーってしてる。
美人が台無しだよ一花ちゃん……。
この二人、ヤンキーと真面目ちゃんで昔から犬猿の仲だったはずなのに、何がどうして付き合うことになったんだろ?
やっぱり恋愛って……未知だ。未知すぎる。
「そんなことより!美恋ちゃんのお部屋にレッツゴー!」
「え!?私!?」
「もちろーん!仁郎から色々聞いてるよ!私に任せて!」
「えぇ〜〜」
一花ちゃんに強引に手を引っ張られ、何が何だかわからないまま、私は二階にある自分の部屋へと連れていかれた。
そして、数分後。
「やっぱり!思った通り〜!美恋ちゃん、すっっごく可愛い!」
「ううっ……」
全身鏡に映し出されたのは、まるで別人の私の姿。
くるんと上を向いたまつ毛。



