「バ、バカじゃないの!?いいから離れてよ!!」


「そうか。まだ俺にそんな態度をとるんだな?致し方ない」


「は?何言って……」



言い終わらないうちに、反射的に体がビクッと跳ね上がってしまう。


ジロの手が、私の脇腹辺りに触れたからだ。


ま、まさか……。



「ま、待って……。ジロ、それだけは」


「問答無用」


「やっ……まっ」


「必殺!!こちょこちょの刑!!!」


「ギャーー!!アハハハハハハ!!」



私の脇腹に添えられていたジロの手が、私の弱点をピンポイントでくすぐってくる。


しかも、くすぐり方も絶妙。


そりゃ子供の頃から散々じゃれ合ってきたわけだから、ジロが私の弱点を知ってるのは当たり前なんだけど、どうやったってこんなの耐えられたもんじゃない。



「やーーっ!!ジロっ!!本当にやめて!!」


「じゃあ、ちゃんと俺の話聞くか?」


「聞く!聞くから!!聞きますから!!」



死ぬ!


このままじゃ笑い死ぬ!!



ジロの手から逃れ、涙目で脇腹を抱えながらプルプル震えている私に、ジロは満足そうに薄ら笑いを浮かべてくる。



こっの……!悪魔めっ!!



「いいか?美恋。お前には今日から恋活をしてもらう」