ジロって、茅野さんにはあんなに優しい顔で笑うんだなぁ……。
買い出しの荷物も、茅野さんの代わりに全部ジロが持ってあげてた。
前に黒板の掃除を手伝ってあげてたのもそう。
ジロは、本当に茅野さんが好きなんだ。
ジロの隣りで楽しそうに笑いながら、ジロの腕に触れる茅野さん。
……あの場所は、私の場所だったのに……。
ジロと一緒にいるために恋活を始めたのに、何でかな?
日に日にジロが遠くなっていく気がする。
気のせい……だよね……?
またジロとバカみたいに笑い合えば、こんな不安な気持ち、きっとすぐにどっかに飛んでいくはず。
今日は、一緒に帰ろうってジロを誘ってみよう。
明日は、またジロの自転車の後ろに乗せてもらおう。
そうすれば、きっと大丈夫。
こんな気持ち、きっと忘れられる。
モヤモヤした気持ちに見て見ぬふりをして、私は黙々と作業に集中した。
しかし、その日の放課後。



