あまりにも衝撃的過ぎて、自分でも気付かないうちに思考が停止していたらしい。
「ち、ちょっと待って。今、頭整理するから」
「お、おう?」
ジロの顔前に手のひらを突き出して、もう片方の手を自分の額に当てる。
ジロが………恋?
え?何で?
どういうこと?
だって、ジロは恋愛なんて興味ないって言ってたじゃん。
恋愛なんかより、私とバカやってる方が楽しいって……。
え?
何でそれが突然……恋?
額に当てた手に、じわりと汗が滲んでくる。
いや、待つんだ美恋。落ち着け。
もしかしたらこれは、何かの勘違いかもしれない。
そう。
ジロならありえる。
全力疾走した後に茅野さんを見て、そのドキドキを恋と勘違いしたとか……!
うん。
他の人ならないけど、ジロなら……ありえる!!
「ジ、ジロは、何で茅野さんを好きだと思ったの?」
「えー?それ、美恋に言うの?何かはずいんだけど」
「いーからっ!!」
切羽詰まった私の迫力に負けて、ジロは照れくさそうに頬をかくとポツリポツリと話し始める。
ジロの話によると、茅野さんを意識し始めたのは、一週間ほど前。



