……熱い。



何でだろう?


ちょっと嬉しいと思ってる自分がいる。


私を抱き上げるジロを想像して、ドキドキしてる自分がいる。


さっきから私、おかしすぎるよ。


ジロのことで一喜一憂してばかりだ。


ううん。


おかしいのは今だけじゃない。


ジロが茅野さんを好きだと言ったあの日から、ずっとだ。


ジロのことばかり考えて、頭の中がジロでいっぱい。


……これじゃまるで……。



「ねぇ。美恋ってさ、実は元木のこと好きだったりしない?」



私の心の中を探るような幸の瞳を前に、私は思わずフリーズしてしまう。



へ?


好き?


誰が?


私が?


ジロ……を……?



「そ、そんなわけないでしょお!?!?!?」



絶叫にも似た私の声が、保健室に響き渡る。



「ない!ない!それだけは絶対にないっ!!!何でそんなおかしなこと……っ」


「んー。なんとなく?」


「なんとなくでバカみたいなこと言わないで!!」



そんなことあるわけないじゃない!


確かにジロのことは好きだけど、それは人として好きなわけであって、決して恋愛的な意味じゃない。


ジロは幼なじみで、家族も同然で。