(どうなってんだよ、コイツの頭の中)
終わりが見えない会話の始まりだ、と思ったその時、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
反射的にスマホを出して現在の時刻を確認してみれば、五限の十分前であることが明確になり。
「……うそ、お昼休みが…」
ああ、もう、どうしてくれるんだ。
私はメロンパンを買いに歩いていただけなのに。
西園寺がおモテになるせいでこんな目に遭ってしまった。
「……ごめん、並木さん」
不機嫌な顔にならないように顔の筋トレをしといてよかった。そのおかげで、私はスマイルを崩さずに居られてる。
私は沸々と込みあがってくる怒りを鎮めながら、申し訳なさそうに眉尻を下げて謝ってきた西園寺に微笑んだ。
「き、気にしないで…!」
私って、どこまで天使なんだろう。
胃袋が空っぽでイライラしてるのに、笑ってるよ。天使だよ。エンジェルだよ。
私はそっと息を吐いた後、ゆっくりと後退しながら口を開いた。
「…えっと、そろそろ授業始まっちゃうし、教室に戻るね?」