世の中は不公平だと思う。

だって、神様に選ばれたかのような見目麗しい人間と、神に見放されたかのような冴えない顔の人がいるんだもの。

そう、その見目麗しい人間を例えるなら、私のような美しい人間だ。

名付けて、ウルトラスーパーガール。


「相変わらずだな、優羽」


「そう?いつも通りだけどー」


王子をオトす発言をしてから、四日目の朝。

今日も自分の教室に一番早く入った私は、鞄を置くなり鏡を片手に微笑んでいた。


(今日も可愛いよ、私)


教室に到着してから、そう心の中で何度も呟いた。だが、あの一件があって以来、鏡で自分の顔を見ても何故か元気が出ないのだ。

健康面では頗る元気だか、やる気とパワーが漲ってこないのだ。

熱でもあるのかな、私。


「今日も行かないのか?」


萎れた花のように力なく微笑み、大きなため息を吐く私へとそう声が掛けられる。

私は真琴の問いに、首を縦に振って返事をした。


「うん、行かない」


「なぜだ?」


「あの一件で、私が西園寺を狙っているとバレたようなものだから」