『玲愛(りな)、決して自分を嫌いにならないで
自分を嫌いになってしまったら
きっと、私と同じで生きている意味が
分からなくなってしまうと思うから…』

この言葉は、私の母が亡き人になる前に
私に言った言葉で、今でも昨日のことかの様に
鮮明に覚えています。

当時、まだ3才だった私には
母の言っている事に理解出来ず

ただ、分かっていたのは、

「うんっ、分かった!」

私がそう言うと、母は必ず笑ってくれるという
何とも単純な考えだけでした。



その数年後 私が5才の時に、母は帰らぬ人となりました…


ですが、当時の私は母の死を受け入れられずに

よく父に
「おかあさんはいつ かえってくるの?」
っと毎日のように聞いていたそうです。


その度に父は

「玲愛がいい子にしていたら帰ってくるよ」

っと心を痛めながら言っていました。


私は、父の言葉を信じ 料理や洗濯、買い物、掃除… 様々な事を頑張りました。

でも、どんなに頑張っても母は帰って来ない
その事にやっと気付いたのは
私が7歳になった時でした。

その真実を知った時は、父のいない場所で声を押し殺してずっと泣いていた事を覚えています。