「あの………ごめ……………」

言いかけた唯に重ねて

「咲先生、黙っててごめん。唯先生と……付き合ってる。
同じ職場で付き合ってると、周りに気を使わせると思って
オレが秘密にするよう言ったんだ。
ちなみに……
四人は知ってるけど……後の先生は知らないから
このまま秘密にしてくれると、助かるんだけど……。」

唯の言葉を遮って、悪者になってくれる先生。

どうしたらいいのか迷って……先生を見つめたら

瞳だけで『黙ってて』って、返事が来た。

「……………そんな……………………………先生達が……………。」

戸惑いを隠すことなく、顔に出す咲ちゃん。

3人の間を、重たい空気が漂う。

「あっ…………そうですか。
………………分かりました。……………………………………じゃあまた…………………。」

まだ、半分放心状態のまま……立ち去った咲ちゃん。

………………大丈夫かな???

不安な唯に気づいた先生は

ポンと頭を触って

「さっ!買い物して帰ろう!
バレちゃたものは仕方ないし、結婚しようって決めたんだから
あまり心配しないの!」って

いつもの笑顔で、手を引いてくれた。

………そうだよね。

いつかはバレる事だもんね。

……でも、咲ちゃんは先生の事が好きだから

内緒にしてた事……怒ってるよね。

………騙すつもりはなかったけど……

結果的にそう受け取られても仕方のない行為だから……。

明日からの事を考えると、不安だなぁ。