キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~

スーパーまでのドライブは、唯にとっては立派なデート。

「そのままで十分!」っていう先生を無視して

メイクと着替えを済ませる。

「せっかくキレイになったんだから
幼稚園側のちょっと大きいスーパーに行ってみようか?」

普段は保護者に会いそうで、避けてる場所。

結婚を真剣に意識したから……大丈夫って思ったのかなぁ?

「先生、ここに二人で来て………大丈夫?」

「う~ん。まぁ~バレたらバレた時だよ。
両方の親公認の『結婚を前提』にした仲なんだもん。
困ることないよ。
まぁキスはまだの仲だけどね!」ってからかいながら手を繋いで歩き出す。

………………………本当に…………いいのかな???……………。

明日の仕事に備えて、ノートとペン・色鉛筆を買いに文具コーナーへ。

先生は、ファイルが欲しいみたいで…

少し離れて自分の物を選んでる。

「唯先生。」

声をかけてきたのは、後輩の咲ちゃん。

「明日からまた始まっちゃいますねぇ~………お仕事。
夏休みはどうでした?
彼氏さんとラブラブに過ごせました?
私は……森先生に『ハウステンボスデート』を断られて……
ちょっとショックだったけど……
夏休みにしっかり充電できたから、またアタックしようって
張り切ってます。明日また先生に会えるのが楽しみ~!」

「えっ……あっ……えっと……。
あぁ~………そうなんだぁ………………。」

どうしよう~……………………まずいなぁ。

先生と一緒の所を見られたら………付き合ってるの……バレちゃうよ。

メールした方が………いいよねぇ??

「先生は誰と来たんですか?
もしかして!!彼氏さん??」

「いや~………えっと………あの……………」

「わぁ!!会いた~い!
今は、別行動なんですか??」

「あぁ~………えっとねぇ~。……………………」

シドロモドロに答えていたら

「唯ちゃん!」って……

…………………………………………………………………………………………………………。

「えっ?……………まさかですよね??…………」

…………なんて答えたらいいの??

全身が凍りついてしまう……………。