部屋に入ると、続いて入った先生に

向かいの席を促され………逃げ場が無くなる。

自分自身、どうしてこうなったのか分からない。

解決策なんて見当たらないから……一番辛い選択をしたのに……

これ以上、何を話したらいいんだろう?

時が戻せるなら……

旅行の時?……楽しさを知る前?……それとも……先生に出逢う前?

とにかく……別れなくて済むように………時を戻したい。

やり直し……出来ないかな?……

考えても仕方のない事を……グルグル思っていたら

「仕事中にする話しじゃないけど……」って前置きをして

「今日から………どうする?
オレの所に帰るのが嫌なら……四人に頼むか、尋ちゃんに連絡するけど。
………昨日みたいに……何処に居るのか分からないのは……ナシね。
連絡が取れないのは……本当に心配だから。
出来たら……二人でゆっくり話したいから……
今夜はうちに帰って来て欲しい。決めたら……連絡して。
………あと……逃げないで……。何でも話そう……。
一人で抱えるなって……言ったよね?
唯が思うより……みんな……心配してるから。
オレに話せないなら……四人とか、主任とか………。
コウ………とか………………。」

「はい。」

心の中では『誰にも話せない。』って思うから。

…………話しの途中なのに……返事をして終わらせた。

唯の拒絶が伝わったのか……

一瞬ムッとして……「連絡してね……。」って言って立ち上がった。

……………………………………ごめんなさい……………。