夜を待たずに、コウキから連絡が来ていた。


ヒカルさんから、聞いたけど。
どうした?

メッセージには、一言。

あたしも、聞いて欲しいことがあるの。


了解。の、文字からは、コウキの気持ちを
読み取れないまま、約束の時間を迎えた。



待ち合わせの場所に着くと、
何も知らないヒカルが、ニコニコ笑ってる。

動けずにいると、
ヒカルの顔が少し赤くなった。

振り返らなくてもわかる。
コウキだ…。

振り返らないまま、先に席へ向かい、
ヒカルの横に座った。



お待たせしました。と、言うコウキに
ヒカルは、全然待ってないですよ。と
微笑む。


簡単に挨拶を交わし、飲み物を注文した後、

えっと…僕から話して大丈夫なのかな?

さりげなく他人行儀を示してるコウキに、
あたしから話したいんですと告げた。


あたしの顔を少し見つめて、
僕は構わないですよ。と、言うのを聞いて
ゆっくりヒカルに体を向けた。


ヒカル。
あたしね、ずっと前から…
日向さんと付き合ってたの。


ヒカルは、何が始まるのかという顔を
していたけど、あたしの一言で
顔色が変わった。



ただ、あたしたちは…何というか
きちんとした彼氏彼女と呼ぶような
付き合いじゃなかったの。


お互い都合が合う時に、会うだけで。

会えば楽しかったけど…

お互いの未来のことを、話したことも
無かったくらいでね。


あたしは…
コウキとの未来は、無いとさえ…思ってた。