ヒカルさんはさ。
すごく緊張してるとこに、俺が現れたから。
きっと、そのせいだと思うよ?


え、じゃあ…ヒカルとは、付き合わないの?


そりゃあなた、
こんな、バツイチ子持ちのおじさんには、
もったいないでしょ?
と、笑う。


そのこと…ヒカルに話すの?


まあ…そうなるだろうね。
あの場では、ゆっくり話す余裕無かったから
電話して、ちゃんと説明するよ。


もし、それでもいいって言ったら!?


え…?
だって、ヒカルさんは結婚したいんだよね?
俺じゃ…ダメでしょうよ。


少し声のトーンが落ちた気がした。


コウキは…また結婚したいと思ってないの?


ん?
んー…。わからない…。

やっぱり、一度失敗してるしね?
慎重にはなるよ。
というか…あんまり考えたことなかったなあ。
千恵は、結婚したいと思ってなかったろ?
それがわかってたし。


コウキ…。


いや、責めてるんじゃないよ?
結婚したくないなら、
俺も、それでいいと思ってたんだから。
お互いの生活があって、お互い無理しないで
一緒にいられるなら、それもアリかなって。


でも…さすがにビックリしたよ。
俺のとこのパーティ参加者に、千恵の名前
見つけた時は。
だいぶ…ショックだったんだぞ?
と、すねたような声で笑う。


でも、よくわかったよ。

千恵は、結婚願望あったんだな。
俺とじゃないってだけで、って。


そんなこと!


いいんだって。
そんなの、当たり前だよ。

あ、俺まだ仕事残ってるから、切るぞ。
ヒカルさんには、千恵のことは言わないよ?
いいね?じゃ、行くわ。また。