私ばっかり足りなくて。

彼が足りない。もっと欲しい。

お腹、すいたな。

お腹なのかな・・・?

心なのかもしれない。すいてるのは。

「はぁーっ。」

ため息ついて、携帯を握りしめてベットに突っ伏す。

「・・・寝よ。」

部屋の明かりを消したとき、携帯が震えた。

暗い中で画面の光が私の顔を照らす。

メッセージが1件。

待ち望んだ人からの。

(もう寝た?今終わった。)

短く、疲れが伝わって来るようなメッセージ。

(寝てます。)

すぐさまそう送り返す。

(起きてんじゃん(笑))

口元がにやけるのを抑えられない。

他愛もないやりとが嬉しい。

さっきまであんなに空腹だったのに。

もうお腹いっぱいな気分。

1日の終わりに好きな人と繋がっていられるなんて、幸せな事だな。

(明日、夜空けといて。)

(分かった。でも、疲れてるでしょ?無理はしないで。)

会いたい気持ちは強いけど、彼の身体も心配だ。

(大丈夫。明後日代休だから。)

(てか、飢えてんだよ。お前に。)

ああ。なんだ。

足りないのは、お互い様だったのか。

(私も、お腹がすいた。)

食べたいのは・・・。



END