「小西ちょっと。」


「はい。」


各捜査員が散り散りになる中、会議室を出てコーヒーを飲む真田さんに連れ出された。


「あの様子だとみんな信じてくれそうにないな・・・。」


「そうですね・・。」


「さて・・どうしたもんか。」


「真田さん、
俺達だけでもやりましょう。」


「そうだな・・。
なんとか先回りできないかな?」


「・・先回り・・ですか?」


「このままだとすぐにまた5件目の犯行に及ぶぞ。

野崎心療クリニックに通っている犯罪被害者、

もしくはその遺族が分かれば次のターゲットも絞り込める。」


「なるほど・・・・・。
でも病院の患者となると・・。」


守秘義務があるからカルテは見せて貰えないだろうなぁ。


真田さんもそれを十分分かっているのか、
ポケットに手を入れて遠くを見つめる。


「まっ、とにかくもう1回行くか。」


「・・ですね。
また行きましょう野崎の所に。」