耳にはイヤホン。
右手にはスマホ。
左手にはカプチーノ。


本木氏の祖母の命を奪った大学生、西島 キリトがその当時身につけ、

手に持っていた物を再現しながら目的地へと向かう。


本当は自転車に乗らなければいけないのだが、僕にそんな器用な事はできない。


ストローを吸い、カプチーノを口に含みながら不謹慎にも僕は笑う。

西島はよくこんな状態で自転車を運転できたものだ。


だからこそ横断歩道を渡る本木氏の祖母の存在に気付かず、そのまま衝突したんだろう。