“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから



野崎は椅子から立ち上がると、
部屋の奥に置かれていた棚へと向かう。


そこにはファイルがどっさり置かれていたから、恐らく患者のカルテが置いてあるのだろう。



「・・小西。」


その時、真田さんが小声で俺の名前を呼んだ。


「はい。」


「・・・・・。」


俺達に背を向ける形でカルテを取りに行く野崎に向かって、真田さんが無言で首をクイっと向ける。


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