俺と野崎の話を怪訝そうな表情で聞いていた川辺課長が近寄る。
「おい小西、さっきから何訳の分からんやり取りをしてるんだ。
さっさとワッパかけ・・・」
「川辺さん・・・。」
「どうした?」
「所持品の中に・・凶器になり得そうなものが・・何一つありません・・。
鞄の中身も全て書類でした。」
「・・・なんだと!?」
所持品検査をしていた捜査員から事実が伝えられると、川辺課長の顔面が蒼白になっていく。
「どういう事だ・・?
お前、森本を殺しに来たんじゃないのか!?」
「だから誤解ですって!
僕の話をちゃんと聞いてください!」
「・・・・・・・・・・・・・
・・・野崎は鉄槌者じゃないのか・・・?」
川辺課長のどうしようもない怒号がむなしく聞こえる。



