「突然押しかけた上になんだか悩み相談みたいな事までしてしまってすみません。

こういった病院の先生と話すこともあまりないのでつい。」


「心療内科医は全国でも150人切る程の少なさですからね。

またいつでも来て頂いて構いませんよ。

ただ、診察時間内に“患者”として来て頂けると、こちらとしても商売が成り立つから余計嬉しいですが・・。」


「アハハハすみません。
その通りですね。

あ、先生恐れ入りますが今日も我々が来たことはくれぐれも内密にお願いできますか?」


「はい、勿論。」


「・・・この前の事も誰にも話してませんよね?」


「仕事柄、僕の口は鉄よりも固いですからご安心下さい。」


「・・・ありがとうございます。」



真田さんが俺に目配せをしながら立ち上がった。


今日はこの辺で退散か。