「先生・・。

心身医学のプロとして率直にお伺いしますが・・・

もし鉄槌者が本当にいたとして、
どんな人物だと思いますか?」



「・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」



診察室に少しの間、静寂が流れる。


その後“そうですね・・”と野崎が小さく漏らした。


「犯罪を犯した人間を殺す事で、“自分が世の中を良くしているんだ”と感じている正義感の強い妄想型タイプの人間。

もしくはただ単に世間の注目を集めたい好奇心旺盛なタイプの人間。

それから・・・・。」



「・・・・・・・・・・・。」



「・・・自分自身が何かトラウマや心の闇を抱えていて、

それを殺人に向けている人間といった所でしょうか。」



「そうですか・・・。
ありがとうございます。参考になります。」


「お役に立てて光栄です。」


真田さんの作り笑顔に、
野崎は自然の笑顔で応える。