だから私の言葉にこれほど喜んでくれたのかな?

そう思うと、サクラが余計に愛しくなって、飽きる事なく頭を撫でてあげたくなる。



それでも頭の中で、妙に手元や首の周りがヒラヒラした服を着て白馬に乗り剣を腰に携える『王子様』──


そして中世ヨーロッパ貴族並のきらびやかなドレスに身を包み王子に向かって手を振るサクラを想像すると……我慢の限界‼


プッ──

サクラの頭を撫でている反対の手で口を押さえながら笑い出してしまった。



「もうっ‼アズサはわかってくれたと思ったのに‼」


私から離れ、眉間にシワを作り口を尖らせる。



この後、拗ねるサクラを宥めるのは大変だったけれど、私の心は晴れやかだった。サクラの秘密を知り、私たちを阻む壁が失くなった事がとても嬉しかったから。



これで私の中のわだかまりも無くなり、すっかり忘れていたこの騒動のきっかけの彼氏探しに専念出来そうだ‼‼