「でも海での陽亮君の行動やアズサに対する接し方は私たちに対するより遥かに優しいし、全く別物だったよ」


フムフムと何も言わずツバキの言葉に耳を傾ける。


胸触られたんですが、あれのどこが優しいの?

疑問はあるけれど、恋愛講師と化したツバキは今は質問タイムではないという雰囲気だ。


「アズサはさ、陽亮君が軽そうだから一線置いてる部分あるでしょ?でもそういうの抜きで陽亮君の事どう思ってるの?」


私は三人の視線が集まる中、陽亮の軽そうという見た目や浮いた噂を抜きにして、陽亮自身の事だけを思い自分の中の奥底にある感情を探ってみる。


………………
…………

「……わかんない」


ハァ~~~と、一斉に三人の溜め息がこぼれた。

だっていきなり言われても、陽亮を恋愛対象として見ていなかったから困ってしまう。


「ゆっくりでいいからね?」


そんな私を見兼ねたサクラが優しく声をかけてくれた。サクラに困った顔で微笑み返すと、サクラは私の肩にそっと手を置く。